まったりのっそり

日常の思い立ったことをのんびり書いていくよー

20代前半で脱腸(外鼠径ヘルニア)になった話

脱腸、またの名を鼠径ヘルニアと言います。
ヘルニアと言うと、中年の男性がなる腰痛のイメージが強いのですが、当時20代前半かつ女性だった自分でも発症したので、備忘録として当時の思い出を残しておこうと思います。(ちなみに腰痛の症状は一切ありませんでした)

※2014年のお話ですので、現在では手術内容・医療制度などが変化している可能性があります。あくまで当時の備忘録として書かれていることを念頭にお読みください!

 

 

 

そもそもどういう症状?

私の場合は外鼠径ヘルニアという種類でして、鼠径部(足の付け根)の筋膜の間から腸が飛び出す症状が起こりました。
構造的な問題で自然治癒はなく、手術を行わなければならず、放置すると嵌頓(かんとん)という腸の一部が飛び出したまま戻らなくなり、最悪壊死=部分切除や死亡することがあります。

詳細は国立国際医療研究センター病院に記載されているのでこちらをお読みください。

www.hosp.ncgm.go.jp

 

当時のざっくり時系列

  • 2014年1月
    症状発覚

  • 2014年2月
    有給を取り、近場の病院の超音波検査で診察するも症状が出ていないので分からないと言われる。

    4日後、鼠径ヘルニアに詳しい先生がいる病院でCT検査し、鼠径ヘルニアと診断。当日中に血液採取を行う。

    その後の数日は手術日程・方法・費用などメールで相談しつつ決定していきました(この時に高額医療費制度を知る)
    ※脱腸の患者が多いので、予定が空いている2ヶ月後に手術となりました。

  • 2014年4月上旬(内3日間)
    1日目……様々な同意書の説明を受け署名していく。
    2日目……手術。全身麻酔3秒で寝て気がつけば終わっていた。
    3日目‥‥退院。

  • 2014年4月中旬
    術後の経過観察で1回だけ病院へ。

  • 2016年
    鼠径部に鈍い痛み(突っ張り感)を感じ、「再発?!」と不安になりお世話になったお医者さんのところへ。再発ではなかったです。

 

以下、当時の記憶を思い出しつつ詳細を書いて行きます。

 

いつ気付いたのか?

最初に発覚したのは2014年1月頃。シャワーをしていたら左の鼠径部に膨らみが出ていることに気づきました。
触ってみると(腸なので当たり前ですが)臓物のような柔らかい感触がしました。
数十分後には引っ込むのですが、4月頃には出っ張る頻度がかなり増えていた記憶があります。

膨らみの大きさは10円玉ぐらいだったかと(下の絵だとかなり大きく描いてしまいましたが……)

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外鼠径ヘルニアの箇所

 

病名を知るために

まずこの部分と症状で検索をかけるのですが、
『足の付け根 しこり』
と調べ方が下手くそだったので違う病気ばかりが出ました。
今なら『左股 ふくらみ 病気』とかで調べるとすぐに出てきますね。

 

病名発覚

当時の検索結果で出てきた『たけしの本当は怖い家庭の医学』の記事ページに出ている症例が全く同じで「こ、こ、これだぁーーー!!」と感極まりました。

この記事を書いている時に当時の記事残っているかなー?と調べたら発見したので載せておきます。

最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学 診察室

……サイトレイアウトが古い上に配色がホラー番組みたいなので胡散臭さがあるけど、当時は病気のこともあり気にしていなかったです。

「脱腸?! 名前は知っていたけど…この部位でも?! はえー、そうなんだ…」と驚きつつ、自分の病名や対策、放置したら最終的に嵌頓になって死んでしまう可能性がある、と知ることが出来ました。

ただ、この時は「脱腸(鼠径ヘルニア)って中年以上の男性がなるって書いてあるけど、20代女性でもなるもんなの?! じ、実は肉体的には中年のおじさんと同等なのか?」と疑問もありました。
後に記述しているヘルニア専門の先生に聞いた所、先天的なヘルニアらしく、気をつけようがないらしいです。

 

病院を調べる

2014年2月、まず本当にその病気なのか知るために、最寄りでヘルニアの超音波検査が出来る病院に行きました。
この頃は「嵌頓怖い……今も出ている気がする……」と疑心暗鬼状態が続いていたこともあり、向かっている時点でも鼠径部に違和感を感じていました。

結果として、超音波検査の時にひっこんでしまっていたので、「また症状出たら来てください」と言われて帰宅。

……。

………………。

……いやいや!週に3回は出ているんだよ!
検査時点で出て引っ込まない状態ってやばい状態じゃん!!

 

ということで、鼠径ヘルニアに詳しいお医者さんがいる病院へ行くことを決意しました。
 

私の場合は以下の方法で病院と先生を決めました。

  • 手術件数が多い
  • ヘルニア関係の学会にも参加している
    ※学会に出ているなら新しい手術法を把握していそう
  • 手術方法の選択肢がある(切開手術、腹腔鏡手術(メッシュを入れる、年齢が若い場合は筋肉・筋膜を繋げて再発するか様子見する))
    ※病院によっては切開だけしか行っていない所もあるようです。
  • 先生本人がサイトを持っていて連絡が取りやすい
  • 電車、バスでの動線がシンプル(乗り換えが少ない、あまり歩かない)

 

病院と先生

2014年2月、「鼠径ヘルニアの症状が出て、こちらの先生のWebサイトを見て診察をお願いしたく〜〜」といったことを話した上、CT検査などで診て頂き、鼠径ヘルニアとの診断結果を受けました。

そしてそのまま手術をお願いすることにし、看護師さんに採血を行って頂くことに。
※初診・CT検査・採血などで当時で14,000円ぐらい掛かったかと。

余談ですが、先生は福山潤みたいな雰囲気の声とテンション高めな方でした。

手術の方法や日程は帰宅後にメールで数度相談しつつ決定しました。当時のメール内容を改めて読み返すと、返答のレスポンスは速いし丁寧で良い先生だったんだな……としみじみ思います。

似た病気で『ヌック管水腫』があるけれど、その可能性はないですか?と聞いたところ、CT画像のグレースケールの階調からしてそれはなさそうですね、といった回答をしてくださったりも。

 

高額医療費制度を知る

先生へメールで相談した際、手術費用はどれくらいか聞いたところ、高額医療費制度がありそれを使って8万円ぐらいですね、と教えて頂きました。

その後、会社で加入している健康保険の公式サイトで高額医療費制度の詳細と申し込み方法について調べ、後日経理の方にメールで相談もしました。
「給与から引かれている健康保険料が今こそ発揮される…!」とぼんやり考えていたり。

www.its-kenpo.or.jp

 

※余談ですがITS健保に入っておりまして、過去にITS健保の便利なサービスに関してまとめた記事を載っけておりますので、同じ加入者は読んでみてくださいー。

nonosso.hatenablog.com

 

手術

2014年4月、2泊3日で入院しました(木曜入院、土曜退院、日曜は自宅で安静に。)
調べてみると、日帰りでヘルニア手術を受けられる専門の病院もあるそうですね。


手術の内容

私の場合はヘルニアが大きくなく、若いこともあり、メッシュは使わず腹腔鏡手術で鼠径管の入り口を縫い縮め、筋肉・筋膜を縫い合わせることで補強することにしました。
デメリットとしては鼠径部に時折突っ張り感の症状が出ることですが、痛い!よりは違和感があるぐらいなので今のところ気になってはおりません。

ちなみに腹腔鏡手術では3ヵ所穴を開けてそこから機械を通します。
穴を開けた箇所ですが、2020年現在では注視しなければ分からないぐらい目立たなくなりました(内1箇所はヘソだったのでこちらも分からない)

 

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腹腔鏡手術で開けた箇所

入院前日

先生からしっかり入浴することと、感染予防対策としてヘソを念入りに洗っておくよう言われたので、その通りにしました。
今考えると腹腔鏡手術でヘソから機械を通すのでそのためだったんだな……と思ったり。

入院 1日目(入院)

お昼頃に来院後、様々な同意書に関しての説明を受け、署名を書いていきました。
それと2日目の手術に向け、午後から食事は摂らなかった……と思います。すみません、6年前の記憶なのでこのあたりはあやふやです。

入院 2日目(手術)

手術当日。手術台まで運ばれ、先生方と顔合わせし、これから麻酔をするとの説明を受けます。

その後、全身麻酔をする段階で、

先生「何か好きな音楽ありますか?」
私「クラシックのラヴェルって作曲家の曲が好きです」
先生「ああ、ボレロの。…………無いので、別のクラシック曲を流すよ!」
私「は、はあ…そ(ここで寝る)」

体感3秒ぐらいで寝ました。全身麻酔すごいなあ……。

手術はどのくらい掛かったかは覚えていないのですが、起きたら担架で病室に運ばれている最中でした。口元に呼吸器用チューブをしていたのですが、外してから2日くらいは声がガラガラになっていました。

この後か3日目かは覚えていないのですが、先生が様子を見に来てくださった記憶はあります。

入院 3日目(退院・支払い)

あっと言う間の退院です。

退院時に支払いをした際、限度額適用認定証を提出したため自己負担額での支払い金額になりました。
※領収書は約8万円ほどの記載がありますが、高額医療費制度により当時の給与で自己負担額¥57,600だったので、もしかしたら実際に払ったのは5万円台だったかもしれないです。他込み込みで8万円だった可能性もあるので、記憶が曖昧すぎて申し訳ない……。

痛み止めは飲んでましたが腹腔鏡で3箇所空けた穴がじくじく痛かったです(1週間ぐらいで落ち着いた気がします)

 

経過観察

退院してから1週間後に術後の経過観察となっていたので来院。腹腔鏡でついた傷口を見て頂いたり、再発していないかなど確認して頂いたりしました。

 

すわ、再発?!

2016年、帰宅中に鼠径部へ鈍い痛みを感じ「すわ、再発か?!」と不安になり再診。
当時診てくださった先生が自分の病院を開業していたため、交通手段が面倒になったり、CT検査は病院最寄りの施設で予約したりとちょっと面倒なことになっていました。

ちなみに再発ではなく、筋肉・筋膜の縫い合わせによる突っ張り症状とのこと。
この症状は時々起きるのですが、凄く痛いというより「あ、突っ張ってんな〜」ぐらいなのでこれ以降はあまり気にならなくなりました。

 

とりあえず2014年当時の資料を見つつまとめました。
今後もし再発があった場合は、当時より新しくなっているだろうメッシュを使用しての手術となりますが、できればこのまま再発しなければ良いな……。